古代芸術品の表現力 2
生命力の表明は新民族の活力の反映だともいえますが、それよりも深いミケネ人の信仰、世界観からきています。
いったいミケネ時代は尚武的な時代であるとともに英雄時代だといわれます。
ホメロスの詩ができるのは前8世紀頃とされるけれども、その素材また原型となったいくつかの叙事詩はミケネ時代のものであって、当時の英雄たちの活躍を歌っていました。
英雄は神ではなく半神でした。
彼らは父か母かのいずれかが神ですから、不死ではなく死なねばなりません。
死すべき者は結局は人間です。
もちろん英雄たちは精神的にも肉体上でも常人以上に卓越した人聞です。
この卓越性のために半神化され伝説化されましたが、その能力は非人間的なほどには超人間的なのではありません。
こんな英雄こそは人間存在の根源であって、そこに英雄崇拝がおこるのです。
ミケネ時代はクレタの信仰を受けいれながら、本来のオリンボス的な神を信奉していますが、まだ神界は十分に整備されないで混迷があります。