古代芸術品の表現力 4
クレタ美術とミケネ美術についての解説を終えます。
その性格差はより一層明らかにしました。
すると美術史上に一つの美術としての「エーゲ美術」は成立するでしょうか。
それとも両美術は分離してエーゲ美術は解体すべきでしょうか。
またエーゲ美術が許されるならば、それはヨーロッパかそれともオリエントかの問題にもかかわってきます。
ある人はクレタ美術からヨーロッパだとし、ある人はミケネ美術からヨーロッパは始まると主張します。
なおこの揚合、美術を文化と代えても差支えないでしょう。
今日の段階では美術はエーゲ文化の最大の代弁者ですから・・・。
ところでまずクレタ人は何人種であるか。
その住民は小アジア、レヴァント、エジプト、リビアから幾度にも渡ってきたのです。
これらの地域の言語は複雑であって尋.]語学上では議論がやまず、エーゲ語とか小アジア語とか地中海語とかいわれますが、少し漠然としているけれども、私は地中海人種とする説をとっています。
少なくともインド・ヨーロッパ語族ではないとの説に加担します。
この地中海人種はオリエントに近縁です。
このことを考古学は習俗上の類似や遺物から固定しています。