時間に生きる 4
そんな状態の中で、モモだけが昔ながらにたくさんの暇な時間を持って、ゆっくりと遊んでいました。
こにれより、はからずも時間泥棒である灰色の男たちの邪魔をすることになったのです。
そこで彼らは、なんとかモモを自分たちの仲間に引き入れようとします。
そしてある日、モモの前に一人の灰色の男があらわれて、モモに完全無欠のすてきな人形をプレゼントします。
この人形は自分で目をパチパチさせて、口を動かし、まるで電話から聞こえてくるような声でものを言うのです。
しかし、いつも同じことをしか言わないので、対話になりません。
人形にはおとなの持っているような、たくさんの服や、アクセサリーや、バッグや、写真機や、テニスのラケットまである付属品がついています。
おとなの真似がそっくりできるようになっています。
おとなの考えでは、これこそ子どものための完全な遊び道具なのです。
しかし実は、本当の子どもは、こんな人形では遊べないのです。